仮面女子 猪狩ともかが京都大学iPS細胞研究所(CiRA)を訪問

iPS細胞の未来と可能性を徹底レポート

iPS細胞の未来と可能性を徹底レポート

『iPS細胞』という名称は聞いたことがあっても、その『iPS細胞』がどういったものなのかや、何ができるのか、私たちの生活に何をもたらしてくれるのかなど、具体的なことについては、猪狩さんを含めた私たち多くの人がわかっていません。そこで、実際に京都大学iPS細胞研究所(CiRA)を訪問して、『iPS細胞』についての基礎知識、現在行われている研究や進度、可能性や未来について学んできました。結果として、より多くの人がこの『iPS細胞』について知識を深め、興味を持つことが大切で、それは、私たちの明るい未来へと続いていることがわかりました。

佐々木あやかさん、猪狩ともかさん、渡邉文隆さんの集合写真

  • 猪狩ともかさんの顔写真

    仮面女子
    猪狩 ともかさん

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    所長室 基金グループ長
    渡邉 文隆さん

  • 佐々木あやかさんの顔写真

    広報
    佐々木 あやかさん

まずは研究所の渡邉さんからiPS細胞の基本をレクチャーしてもらいました。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

猪狩さん、京都大学iPS細胞研究所へようこそお越しくださいました! 
私は、iPS細胞研究所の所長室という部署で基金グループ長を務めています渡邉文隆(わたなべ ふみたか)と申します。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

はじめまして、渡邉さん。私は「仮面女子」という地下アイドルグループに所属している猪狩ともか(いがり ともか)です。本日はよろしくお願いします!

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渡邉さん

これからiPS細胞研究所をご案内しようと思いますが、その前にまず、iPS細胞の基礎知識を知ってもらいたいと思います。ご質問があれば、その都度聞いてくださいね。

仮面を被った猪狩さん

渡邉さん顔写真

渡邉さん

……猪狩さん、本気で聞く気あります(笑)?

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猪狩さん

テヘヘ(笑)。一応。

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渡邉さん

キライじゃないです(笑)。

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猪狩さん

iPS細胞って、夢のある研究っていうイメージは持っているのですが、なんだか難しそうで……。ついていけるか不安ですが大丈夫でしょうか?

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渡邉さん

もちろん、大丈夫です。「科学の最先端」といったむずかしいイメージが先行していますが大枠を理解してしまえば、夢のあるおもしろい研究なんですよ。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

安心しました。では、お願いします。

『ES細胞』から『iPS細胞』へ

渡邉さん顔写真

渡邉さん

ここiPS細胞研究所の所長である山中伸弥先生がノーベル賞を受賞したのはご存じですか?

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猪狩さん

研究内容は……ですが、受賞されたのはもちろん知っています。

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渡邉さん

その山中先生が、iPS細胞を研究する前、2000年くらいに研究していたのが「ES細胞(胚性幹細胞)」でした。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

えっ?『iPS細胞』じゃなくって、ES細胞??

レクチャーする渡邉さん

渡邉さん顔写真

渡邉さん

はい。これ、どういった細胞かといいますと、受精卵から数日発生が進んだ段階の細胞を培養してできる細胞です。どんどん増えるし、血液や筋肉、神経などのいろんな細胞をつくり出すことのできる、ものすごい細胞なんです。「万能細胞」と呼ばれることもあります。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

『iPS細胞』を発見する前の研究ですね、理解しました。ES細胞をつくるには、受精卵を使うのですか?

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渡邉さん

そうです。例えば、脊髄損傷、パーキンソン病などの治療に、このES細胞から必要な細胞をつくって移植すれば良い効果が得られる、と期待を集めましたが、そのためにはヒトの受精卵が必要になってしまう。そのような中で山中は、「受精卵でなく皮膚などの他の種類の細胞から、ES細胞と同じような細胞をつくる」という研究テーマを掲げていたのです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

なるほど……。

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渡邉さん

ヒトの皮膚などから、受精卵に近い段階の細胞をつくるというのは「そんなのできるわけがない」と、誰もが口にする、かなり挑戦的な研究テーマだったのですが、山中は、「細胞には、リセットボタンみたいなボタンが必ずあるはずだ。そのリセットボタンを押せば、受精卵に近い状態の細胞に戻るはずだ」と考えたようです。

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猪狩さん

今までは受精卵からしかつくれなかった万能細胞を、ただの皮膚からつくろうとしたっていうことですか?

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渡邉さん

その通りです。その研究は山中が思ったよりも早いペースで進み、2006年にはマウスの皮膚細胞に四つの遺伝子を入れると、受精卵にかなり近い状態になるという論文を発表しました。この新しい細胞は、人工的に「万能細胞」と同じような能力を持たせた細胞です。山中はこれを『iPS細胞(人工多能性幹細胞)』と名付け、2007年には、ヒトの細胞からiPS細胞が作製できたという論文を発表しました。
ちなみにiが小文字なのは、当時流行っていたiPodにあやかり、多くの人に使われる技術になってほしい、という願いが込められているそうです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

山中先生、すごい! それで、『iPS細胞』って実際に何がすごくて、私たちの生活にどう役立ってくれるのですか?

『iPS細胞』って何がすごいの?

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渡邉さん

そうですよね、ここからが本題です。
血液や皮膚の細胞を人から採ってリセットすると『iPS細胞』になり、受精卵に近い状態になる。この方法だと、どんどん増やせるし、いろんな細胞をつくれるので、神経をつくったり、心臓の細胞を作ったり、筋肉をつくったり、軟骨をつくったりすることができます。

iPS細胞の臨床応用

猪狩さん顔写真

猪狩さん

血液からつくれるなら、受精卵を使うよりハードルが低そうですね。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

細胞をいただきやすい、という面では仰る通りです。で、この『iPS細胞』を必要な細胞に変化させ、身体に移植して医療に使おうというのが「再生医療」です。これとは別に、もうひとつの使い方があります。それは、『iPS細胞』から細胞を作って身体に移植するのではなく、この細胞を使って「薬の開発」をしようという考え方です。現在は、この二つの使い方の研究が主流となっています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

意味はイマイチですが、「再生医療」というワードは、テレビや新聞でよく見聞きする気がします。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

この研究所の名前は、日本語だと「京都大学iPS細胞研究所」ですが、英語だと「Center for iPS Cell Research and Application」。略称の方では「CiRA」と書いて「サイラ」と読むんですけど、山中先生がどうしてもこの言葉を入れたいといったのが「Application(アプリケーション)」という言葉です。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

ア、アプリケーション??

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渡邉さん

この言葉には応用という意味があります。つまり「研究するだけではなく応用したい」「患者さんに届けたい」という想いから「Application(アプリケーション)」という英語名がついています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

研究するだけじゃなくて、患者さんに届けたいってステキですね!

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渡邉さん

私たちCiRA(サイラ)は日本のiPS細胞研究の基盤を支える仕事もしていまして、iPS細胞の作製方法についてのトレーニングをしたり、他にはiPS細胞を作る際の基本特許は、他の大学や研究所には無償で許諾しています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

えーっ、せっかく発明したのに無償ですか?

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渡邉さん

そうすることで周りの研究機関が研究しやすくなりますよね。企業に対してもできるだけ妥当な価格で提供するようにしています。例えば、実際に再生医療のための細胞医薬品ができました、と。その価格に高い特許料がのってしまい、細胞医薬品がものすごく高額になってしまっては多くの患者さんの手には届きませんよね。そういった意味でも基本特許の使用料については、できる限り抑えたいと考えています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

そういう意味で無償なのですね。研究が促進されれば、救える患者さんが増えるということですね。

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渡邉さん

そのぶん、発明者の山中先生に入ってくる特許料は相対的に少なくなっているはずです(苦笑)。そこらへんを気にしないのが、山中のポリシーみたいです。発明した人がそういう人で良かったな、と本当に思います。地球的ラッキーです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

本当にそうですね(笑)。

質問する猪狩さん

研究が進む「再生医療」

渡邉さん顔写真

渡邉さん

いよいよ実際の病気の治療のお話をしていきますが、『iPS細胞』を用いた「再生医療」では、「パーキンソン病」「眼の病気」「心不全」「脊髄損傷」「血液の病気」という、五つくらいの病気やけがについて、今かなり研究が進んでいます。

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猪狩さん

ふむふむ。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

われわれ、CiRAと京大病院で研究を行っているものもあれば、技術や細胞を提供して、他の大学で行われている研究もあります。例えば、目の病気であれば「理化学研究所」、心不全は「大阪大学」、脊髄損傷は「慶應義塾大学」。そういったところの先生方が一生懸命研究をされています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

日本のなかでも、たくさんの大学や研究機関で研究されているのですね。

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渡邉さん

網膜の病気「加齢黄斑変性」という病気があるのですが、これは名前の通り、お年寄りになると発症しやすくなる病気です。日本人のお年寄りの失明原因の上位にくる病気なのですが、これまではうまく治療できる方法がありませんでした。しかし、『iPS細胞』からつくった細胞シートを網膜に移植する手術を行い、いまのところ少なくとも移植後に視力の低下が止まる、というところまでは観察されています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

もう、『iPS細胞』から細胞をつくって、実際に移植するという段階まできているんですね! 想像していたよりも進んでいて驚きました。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

パーキンソン病では、「治験」というのが進んでいます。治験というのは、治療のための試験みたいなもので、この治験で安全性や効き目を確認します。実際の治療としてみんなが使えるようになるには長い時間がかかりますが、治験はそのための大きなステップです。iPS細胞から神経細胞を作って患者さんの脳に移植する。そうすると、うまく歩けない、どうしても前かがみになってしまうパーキンソン病特有の症状が改善するだろうと考えられています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

すごい!

『iPS細胞』から新たな薬を作る?

渡邉さん顔写真

渡邉さん

「再生医療」とは別のもうひとつの『iPS細胞』を用いた研究が「薬の開発」です。「再生医療」はよく報道されるので、なんとなく移植するんでしょといった感じでみなさんよくご存知なのですが、こちらの「薬の開発」についてもぜひ知っていただきたいと思っています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

『iPS細胞』から薬をつくるということですか?

渡邉さん顔写真

渡邉さん

「FOP(進行性骨化性線維異形成症)」という稀な疾患を例にして説明しますね。これは、体の中の、本来骨があってはいけない部分に骨ができていくという病気です。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

体の中に骨ができるなんて、そんな病気があるんですね。

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渡邉さん

そこで、病気ではない方と、「FOP」の方、それぞれから『iPS細胞』をつくって、そこからいろいろな刺激を加えて骨に変えたときに、患者さんのiPS細胞からは、骨の細胞ができやすいことがわかったのです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

どういうことですか?

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渡邉さん

iPS細胞から骨ができすぎてしまう、という結果がシャーレの上で確認できました。病気の中の状態を身体の外、シャーレの上で再現できるようになったのです。では、この結果から、いったい何ができるのか? という話ですが、患者さんから作った『iPS細胞』からは骨ができすぎてしまうことがわかりました。今度は、その『iPS細胞』を使って、いろんな薬の候補の効果を試していったわけです。そうすると、ある薬をかけたときにですね……。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

えぇ!? まさか?

渡邉さん顔写真

渡邉さん

そうなんです。患者さんの細胞が骨になるのが抑えられたのです! これにはびっくりでした。患者さんから作った『iPS細胞』なのに、なぜ骨化がおさえられたのか? という話になりますよね。この薬の候補っていうのは、じつは本当に驚きだったんですけど、免疫抑制剤としてすでに使われているものだったんです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

うんうん。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

つまりこの薬には、免疫抑制剤という効果だけではなく、骨化を防ぐという効果もある、ということがわかってきました。現在、「治験」が進められています。
もし、患者さんに実際薬を飲んでもらって効果を試すのであれば、飲んでもらって半年たって検査して、う~ん、骨化が抑えられているかな……、といった具合ですから、そんな研究は物理的にほぼ無理なんです。しかし、iPS細胞技術によって、病気の方の患部の細胞をたくさんつくって、いろんな薬をかけてみて、効果のあるものを探すことができるようになったんです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

病気の状態の細胞を身体の外で再現することで、患者さんのいないところで、たくさんの効く薬を試して探すことができるようになったということですね。

FOP患者と山中教授たち FOP患者さんと山中教授たち

渡邉さん顔写真

渡邉さん

そうなんです。病気の患者さんからつくらせてもらう『iPS細胞』っていうのは、ものすごく研究者にとっては貴重な素材なんです。患者さんの人数が少ない病気でも、患者さんの細胞は一度iPS細胞にしてしまえばその後でいくらでも増やせるわけですから。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

患者さんに負担がなくて、さらに研究するスピードも上がって、言うことなしですね。

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渡邉さん

実は難病ってものすごい数あるんです。一つひとつの患者数は少ないのですが何百種類とあるんです。国の指定難病だけでも300以上ですが、じつはそのうちの155については、患者さんの同意を得て、すでに『iPS細胞』ができあがっています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

すごい! 難病も治せる時代がくるってことですね。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

それはこれからの研究次第ですが、このような患者さん由来の『iPS細胞』を、理化学研究所のバイオリソースセンターというところが世界中の研究者に配ってくれていて、難病研究が進みつつあります。『iPS細胞』には、こういった使い方もあるっていうことを、ぜひみなさんに知っていただきたいと思っています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

『iPS細胞』を使って、そんな「薬の開発」が行われているなんて知りませんでした。

自分に合った薬や治療を探す

渡邉さん顔写真

渡邉さん

もうひとつ説明したい研究例があるのですが、アルツハイマー病という認知症になってしまう病気があります。この病気、じつは同じ病気でも、人によって効果のある薬が違うっていうことがわかっています。同じ認知症で、Aさんはこの薬だと意識がはっきりとするけど、Bさんには全然効かない。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

個人差がある病気なんですね。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

アルツハイマー病の患者さんが2人いるとして、このお二人から『iPS細胞』をつくるとします。その『iPS細胞』から神経細胞をつくらせてもらうと、Aの患者さんからは異常なタンパク質が細胞の外にあることが観察されました。しかし、Bの患者さんからは、そういった症状がないことがわかったとします。それで、両方の細胞に同じ薬をかけると、Aのタイプの患者さんは細胞が元気になる。一方、Bのタイプの患者さんは細胞が元気にならない。こういう研究から、同じアルツハイマー病と呼ばれている病気の分類が、より細かくできるんですね。細胞レベルまで見ることができるので分類ができる。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

病気の分類が細かくできると何か良いことがあるんですか?

渡邉さん顔写真

渡邉さん

これまでの医療では比較的に、例えば喘息(ぜんそく)だったら喘息、アルツハイマーだったらアルツハイマー、その病気の薬はコレです、みたいに同じ薬をみんなに飲んでもらっていました。ところが、アルツハイマー病なんかは、まさにそうなのですが、飲んで、飲んで、飲んで、半年たって、症状はどうですか? 認知症は改善されましたか? と。いやあんまりです、ということになったら、その半年間飲んでいた薬は無駄ですよね。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

そうですね。薬が効いていなければ、その間も患者さんの病気が進行してしまいそうです。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

私たちは「個別化医薬」と呼んでいるのですが、今後は患者さんひとりひとりから『iPS細胞』をつくらせてもらって、同じ病気の患者さんをグループに分ける手がかりを探し、そのグループごとに効果的な薬や治療法を選べるようになれば良いなと思っています。こういった研究が、無駄な副作用やお薬を減らしていくことを願っています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

自分により合った薬や治療を探してもらえたら、すごいですね!

渡邉さん顔写真

渡邉さん

病気によっては、まだ本格的にiPS細胞を使った研究が始まっていないものもありますから、これから20年、30年と研究できる財源を確保するために、私のチームでは寄付を募っているんです。寄付金があれば、患者数が少なくて製薬企業が手を出しにくい難病の研究や、山中がiPS細胞をつくったときのような、成功確率の低い野心的な研究もしやすいですし。
Yahoo!ネット募金さんも、一般の方から寄付を受け付けるうえで、本当に大切な窓口になってくださっています。

渡邉さん顔写真

渡邉さん

研究者だけでは研究はできなくて、佐々木のように研究を伝える人、実験を補助する技術員の人などが必要です。また、寄付をしてくださる人、今回のヤフーさんみたいに寄付を募る仕組みを提供してくれる人、猪狩さんみたいに自分の学んだことを発信してくれる人、そんな多くの人たちに支えられて『iPS細胞』の研究が続けられています。ですから、これを機会にぜひこの研究のメンバーの一員として、これからも『iPS細胞』の研究に注目し続けていただければと思います。これで僕のお話は終了です。ご静聴、どうもありがとうございました!

猪狩さん顔写真

猪狩さん

ブラボー、パチパチパチ(拍手)
『iPS細胞』ってよく耳にしていましたけど、具体的によくわかっていなかったのですごく勉強になりました! 渡邉さん、本当にありがとうございました!

iPS細胞から作製された軟骨を見る猪狩さん iPS細胞から作製された軟骨を見る猪狩さん

Yahoo!ネット募金で研究所を支えよう!

クレジットカードは100円から、Tポイントは1ポイントから寄付できます。

レクチャーを終えて、渡邉さんに研究所を案内してもらいました。

オープンラボ前の猪狩さん

iPS細胞研究所1期棟にあるオープンラボスペースで研究者気分に。オープンラボは研究室が開かれた状態になっていて、壁がなく、研究者同士の意見交換が活発に行われています。

研究所内で渡邉さんに説明を受ける猪狩さん

渡邊さんから研究所の渡り廊下に貼り出されているポスターの説明を受ける猪狩さん。ポスターの内容は、研究所内で活動するさまざまなチームのリーダーたちが、研究についての意義や目標を説明しています。

山中教授のオフィス前の猪狩さん

iPS細胞研究所の所長、山中伸弥先生のオフィスを見て感激。ノーベル賞科学者にしては、とてもこぢんまりとしたオフィスでした。

ギャラリースペースで渡邉さんに説明を受ける猪狩さん

iPS細胞研究所1期棟の1階にあるギャラリースペースの説明も受けました。ギャラリースペースで一般公開されている山中先生が実際に使用した、世界初のiPS細胞をつくったインキュベーターに興味津々。

続いて、広報の佐々木さんにCiRAについてお話を伺いました。

佐々木さんと猪狩さんの対談風景

猪狩さん顔写真

猪狩さん

「CiRA(サイラ)」とは、どのような組織なのですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

京都大学の中にある研究所のひとつです。『iPS細胞』の基本的な研究や、どういうふうに医療につなげていけるのかを研究するための研究所です。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

どのような人が働かれているのですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

研究者のほか、先ほどレクチャーを行った渡邉や私みたいな事務方のスタッフ、動物を飼育してくれる人、実験の補助をしてくれる人など、研究者以外のスタッフもたくさん働いています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

何人くらいいらっしゃるのですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

今、教職員のほか、学生さんなどを含めると600人弱が働いています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

すごい、ちょっとした会社ですね。「CiRA」では、どういった研究をされているのですか?

猪狩さんの顔写真

佐々木さん顔写真

佐々木さん

研究所のなかに30個くらい研究室という部門や部署みたいなところがありまして、さまざまなテーマを扱っています。例えば、心臓の病気の研究をしている先生もいますし、神経などを研究している先生もいます。その他にもいろいろな先生がいて、『iPS細胞』を病気の治療に使おうと研究している先生や、そもそもどうして皮膚や血液だったのものが『iPS細胞』になれるのか、という基本的な部分の研究をしている先生もいます。

CiRA(サイラ)の広報の仕事

猪狩さん顔写真

猪狩さん

『iPS細胞』を中心にして、いろいろな研究が行われているのですね。佐々木さんは広報というお仕事だとお聞きしていますが、どのようなことをされているのですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

例えば、いろんな取材を受けるほか、イベントをやることもあります。中学生に夏休みに来てもらって実験を体験してもらい、研究はこういうことなんだよ、と伝える活動を行っています。あとは、大人向けに研究所の見学ツアーを行ったりもしています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

見学の方も来られるんですね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

見学ツアーとしてやっているのは年に数回ですが、1階にあるギャラリーは年中公開していますので、そちらを見にきてくださる方もいらっしゃいます。その他、新しい研究成果が出たときにホームページに記事を掲載していますので、そういった記事を作るお手伝いをしたり、年に4回、外部向けニュースレターを発行していますので、そちらの編集をしたり、記事を書いたり、といったことも行っています。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

とにかく、人に知ってもらうために働くお仕事なのですね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

そうですね。

佐々木さんの顔写真

猪狩さん顔写真

猪狩さん

佐々木さんは、どういった経緯でCiRAで働くことになったのですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

もともとは大学の農学部で水産学を学んでいたのですが……。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

なんだか今と全然違いますね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

もともと、こういったお話をしたり、科学についての記事を書いたりするのが好きだったので、大学卒業後に理科の教科書をつくる出版社に就職しました。そこで、もう少し教科書以外のものをつくってみたい、大学で最先端の研究をもっと知りたい、知れる環境にいたい、そう思うようになったときに、ちょうどCiRAで広報の募集があったので転職しました。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

根っからの理系女子なのですね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

そうですね。結構な理系です。(笑)

猪狩さん顔写真

猪狩さん

やっぱり広報というお仕事は、自分もしっかり理解していないとダメってことですよね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

そうなんです(笑)。だから毎日が勉強です。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

CiRAの職場としての環境はどんな感じですか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

京都大学のなかでも新しい建物なので、転職してまず感じたのが奇麗だという印象でした。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

そうですよね、私もすごく奇麗でびっくりしました!

佐々木さん顔写真

佐々木さん

あとは、毎日勉強が大変っていうのはあるのですが、それでも、自分が科学が好きで来ているので、そういう研究を支えられる環境にとても満足しています。広報活動に力を入れていて、活発に動けるところもうれしいです。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

私には無理そうですが(笑)、佐々木さんにとっては働きがいのある職場なのですね。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

はい。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

個人的な目標などはありますか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

個人的な目標ですか? う~ん…、そうですね~、新しい取り組みとして、自分がひとつやったぞっていうものが欲しいなとは思ってまして。私はCiRAに来てまだ1年半くらいなんですけど、先輩方を見ていると、例えばひとつ本を書きました、ひとつ新しい教材をつくりましたなど、みなさんひとりで企画からリリースまで全部をこなした経験をひとつはお持ちなのです。そこで私も何か自分で育てた企画を形にできたらうれしいなと思っています。

『iPS細胞』の研究で、私たちができること

猪狩さん顔写真

猪狩さん

最後になりますが、『iPS細胞』の研究とは無縁の私たちが何かできることはありますか?

佐々木さん顔写真

佐々木さん

まずは興味を持っていただいて、今日みたいに調べに来てくださったり、質問してくださるというのはすごくうれしいです。正直、今の時点では『iPS細胞』の臨床研究が始まったばかりなので、みなさんに直接的に研究の成果をお返しできる段階ではないのですが、ただ、研究の進み方を注視してもらえたらうれしいですし、研究者や私たちの励みにもなります。

猪狩さん顔写真

猪狩さん

今日、渡邊さんと佐々木さんのお話を聞いて、まったく無縁だった『iPS細胞』がなんだか身近な存在になった気がします。

佐々木さん顔写真

佐々木さん

ありがとうございます。そういっていただけると本当にうれしいです。『iPS細胞』の研究やCiRAに興味を持っていただくことをきっかけにして、それ以外の研究や科学全般にも興味を持ってもらえるよう頑張ります。

CiRAのレポートを終えて、いかがでしたか?

猪狩さん:
iPS細胞研究所を訪問して、iPS細胞のことを具体的に知ることができました。
脊髄損傷は、一度神経が傷付いたら修復することは難しいと言われていますが、そんな脊髄損傷も治すことができるかもしれない、とても夢のある研究だと感じました。実際に機械なども見せていただいて、早く実現してほしいという想いが強まりました。

猪狩ともか(いがりともか)

1991年12月9日生まれ。最強の地下アイドル・仮面女子のメンバー。埼玉県出身で埼玉西武ライオンズの大ファン。2018年に不慮の事故により車いす生活を余儀なくされるも、必死のリハビリと持ち前の明るさで、事故からわずか4カ月でアイドルへの復帰を果たす。現在アイドル活動の傍ら、さまざまなパラスポーツに挑戦中。

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掲載期間:2018年12月5日〜終了日未定