山中伸弥教授×猪狩ともか
iPS細胞の未来を語る

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京都大学iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)所長の山中伸弥教授と、地下アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかさんのスペシャル対談が実現。猪狩さんが実際にCiRAを訪問した際に抱いた疑問や感想に、山中教授が丁寧に回答してくださいました。また、山中教授への単独インタビューでは、日本の研究環境の問題点、寄付の有用性についてもお話をうかがいました。

山中伸弥(やまなかしんや)

1962年大阪市生まれ。2006年にマウスの皮膚細胞から、2007年にはヒトの皮膚細胞から人工多能性幹(iPS)細胞の作製に成功し、新しい研究領域を拓く。
これらの功績により、2010年に文化功労者として顕彰されたことに続き、2012年には文化勲章を受章。2012年にノーベル生理学・医学賞受賞。

猪狩ともか(いがりともか)

1991年12月9日生まれ。最強の地下アイドル・仮面女子のメンバー。2018年に不慮の事故により車いす生活を余儀なくされるも、必死のリハビリと持ち前の明るさで、事故からわずか4ヶ月でアイドルへの復帰を果たす。

山中伸弥教授×猪狩ともか
若手研究者の活躍とiPS細胞を使った脊髄損傷の研究

猪狩さんの顔写真

猪狩ともかさん
(以下、猪狩さん)

こんにちは、山中教授。私は先日、CiRA(サイラ)を訪問させていただきました。実際に研究所内を見学し、働く皆さんの様子を見て感動しました。

山中教授の顔写真

山中伸弥教授
(以下、山中教授)

CiRAにお越しくださいまして、ありがとうございました。職員一同、一生懸命頑張ってくれていますので、猪狩さんに直接見ていただけて大変うれしく存じます。

山中教授と猪狩ともかさんの対談風景

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

私は、もうすぐ27歳になるのですが、CiRAにも同世代の方はいらっしゃいますか?

山中教授の顔写真

山中教授

年齢別でみると、20代後半というのは一番多い層かもしれません。学生さんは20代前半~中盤くらいが多いのですが、学生を終えて博士号を取得した後もさらに研究・修業を続けるポスドク(ポストドクター)という方たちがいます。彼らは20代後半~30代前半が多く、当研究所では中心的に活躍してくれています。

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

皆さんすごいですね。私には絶対にできないことに取り組んでいる姿を見て感銘を受けました。

山中教授と猪狩ともかさんの対談風景

山中教授の顔写真

山中教授

約10年前に誕生したiPS細胞ですが、これは私ひとりでつくったわけではなく、私の研究室の学生さんやポスドクが中心となって研究し、誕生したものです。彼らはまさに、今の猪狩さんと同世代でした。彼らは研究を始めて数年という程度でしたが、立派なことを成し遂げてくれました。

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

同世代としてすごく励みになります! ところで、私個人としてはやっぱり脊髄損傷の研究が気になります。

山中教授の顔写真

山中教授

脊髄損傷の研究については、私たちは慶應義塾大学(以下、慶応大学)と10年ほど共同研究を進めています。慶応大学では臨床研究の申請を進めていますので、2019年くらいには試合開始、最初の一歩が踏み出せるかもしれません。

山中教授と猪狩ともかさんの対談風景

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

脊髄損傷の臨床研究を受けられる方はどういった基準で選ばれるのですか?

山中教授の顔写真

山中教授

けがをされてから一カ月程度の方にもっとも効果が期待できるということで、はじめはそういった方が対象になると思います。私達は、移植用細胞のもとになるiPS細胞を製造・提供する立場で関わる予定です。
ただ、慶応大学が最終的に目指しているのは、けがをしてから何カ月かたっている慢性期の患者さんです。これはけがをした直後の方と比べてハードルが高いのですが、彼らは細胞だけではなく、いろいろな薬の開発も行っています。マウスを使った結果ではありますが、その薬を使用すると、慢性期だった脊髄損傷のマウスが、下半身の動きを回復した、そういった内容の研究結果がつい最近発表されました。ですから、最終的には車椅子の方になんとかもう一度立ち上がっていただきたい、そういった目標と決意をもって懸命に研究されています。

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

ありがとうございます! それを聞いてすごく励みになりました!

仮面女子ポーズをする山中教授と猪狩ともかさん

対談後、山中教授が仮面女子ポーズで記念撮影をしてくださいました!

仮面女子猪狩ともかが京都大学iPS細胞研究所(CiRA)を訪問

― 対談を終えた後、猪狩さんから今回の感想をうかがいました。

猪狩さんの顔写真

猪狩さん

今までiPS細胞の存在自体は知ってはいましたが、詳しいことは知りませんでした。
昨年の夏にiPS細胞研究所へ訪問した際に、丁寧に説明をしていただき、iPS細胞の発見の経緯から、今後のiPS細胞の可能性などさまざまなことを知ることができました。

山中伸弥教授に実際お会いして、「今は急性期の方の研究が優先的に進んでいるけれど、慢性期の方も治せるよう研究員の皆が頑張っている。」と言ってくださりました。

脊髄を損傷しても、いつか治る日が来ることを信じてリハビリに励んでいる人は世の中にたくさんいます。
そして、iPS細胞を用いた治療を夢見ている人もたくさんいます。私もその中の一人です。
iPS細胞は最後の希望と言っても過言ではありません。

iPS細胞は夢ある研究です。
今後、研究がますます進むことを願っています。

山中伸弥教授単独インタビュー
日本の研究環境の問題点、寄付の有用性について

― 現在、日本の大学や研究所が抱える問題点、改善すべきことはありますか?

山中教授の顔写真

山中教授

これまでの日本の研究は、多くの部分が国の支援頼みで、国から支援される研究費に頼った状態で研究を行っていました。しかし、これからは国からの支援に加えて、研究者自らが、自分の行っている研究の重要性を訴え、一般の方や企業に、直接その研究をサポートしていただく努力や仕組みが必要だと考えます。

山中教授の顔写真

― CiRAには寄付を集める専門部署があり、ファンドレイザーの方もいらっしゃるとうかがったのですが、そういったシステムはまだ日本では浸透していないのでしょうか?

山中教授の顔写真

山中教授

少しずつですがそういったシステムが広まってきていると感じます。しかし、これからもっと充実させるべき段階にあると思います。アメリカでは、大学総長や、研究所長の最大の仕事が寄付集めという話もあります。研究所全体のアクティビティを上げるために、総長や所長自らが寄付集めに奔走する。そういった覚悟を持ったトップの方が、日本にはまだ少ない気がします。

― 山中教授はアメリカの研究所でも活躍されていますが、日本との研究環境の違いはありますか?

山中教授の顔写真

山中教授

アメリカは、寄付活動に重きを置き、その寄付で集まったお金を研究所で働く方の長期雇用や、研究所の改善などを積極的に行っています。アメリカも国の支援だけでは十分な規模の研究はできないので、積極的に寄付を集めて有効活用する。アメリカでは、さらに州からの支援がありますから、三本の矢ではないですが、研究費の調達に三通り(国・州・寄付)ある。それに比べて日本は、国からの支援と寄付という二つの矢しか期待できない現状があります。この二つをバランスよくして、研究費を安定させないと、アメリカとの差は縮まるどころかさらに離されていくだろうと思います。

山中教授の顔写真

― 研究に対する寄付の有用性について教えてください。

山中教授の顔写真

山中教授

現在、寄付の最大の必要性は、研究者を支えることを仕事にしている研究支援者の方が安心して働ける環境を整えることにあると感じています。日本の大学などでは、研究支援者に対して正式なポストがほとんどない状況です。日本の研究者というのはクリエイティブなことに割く時間が短く、書類を書いたり、研究費の申請をしたりといった研究以外の事務に貴重な時間を費やしています。これは非常に残念な状況。

しかし、研究支援者の方が、そういった仕事を研究者に代わって担当してくだされば、研究者はより多くのクリエイティブな時間を確保できる。研究者は研究のプロであり、あまり一カ所に長く留まることなく、どんどん新しい世界へ飛び出していくべきだと思いますが、その研究者たちを支える研究支援者は一カ所に留まり、しっかりと研究者を支えてほしい。研究所全体のアクティビティを上げるためには、優秀な研究支援者の確保、長期雇用が必要だと考えています。

― iPS細胞の研究を推進し、多くの患者さんを救うためには、現段階では日本の研究環境を改善していくことが重要だとわかりました。研究にたずさわるすべての人が、安心して働ける環境をなるべく早く整備できるよう、私たちもできる限り応援させていただきます!
山中教授、お忙しい中インタビューに答えていただきありがとうございました。

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掲載期間:2018年12月5日〜終了日未定